犬の療法食にpHコントロールのドッグフードがあります。このpHコントロールはどのような目的で、どのような効果があるのでしょうか。
今回はpHコントロールのドッグフードについてまとめてみました。
pHコントロールの目的
尿はアルカリ性に傾くとストルバイト結石になりやすく、酸性に傾くとシュウ酸カルシウム結石になりやすくなります。このような「尿路結石」を防ぐために尿のpHをコントロールして、尿を弱酸性に保つ必要があります。
そこでpHコントロールをしてくれるドッグフードが開発されました。
ところで、尿路結石とはそもそもどんな病気なのでしょうか。
尿路結石とは
尿の通り道である尿路に結石(尿中の老廃物とミネラルが結晶化して石のようになったもの)ができることです。一度できてしまうと再発率が非常に高いといわれています。
尿路結石の症状
- 食欲がなくなる
- 尿の色が濃くなり、ニオイが強い
- 尿をしそうなのに尿が出ない
- 排尿のとき痛がる
尿路結石の原因
- 水を飲む量が少ない
- 尿を我慢することが多い
- リン、マグネシウム、カルシウムなどのミネラルバランスが悪い
- 尿路感染症
- 遺伝
尿路結石の予防方法
- 水分をたくさんとり、尿をたくさん出す
- 適度に運動させる
- トイレ環境を整える
- ビタミンCを積極的にとる
- pHコントロールのドッグフードを与える
ミニチュアシュナウザー、コッカースパニエル、ビションフリーゼ、ヨークシャテリア、シーズー、ブルドッグなど
pHコントロールのドッグフード紹介
pHコントロールをしてくれるドッグフードにはどのようなものがあるのでしょうか。一部を紹介します。
ロイヤルカナン「pHコントロールドライ」
原産国はフランスで、1kgあたり1,500円ほどで購入できるドッグフードです。ロイヤルカナンのpHコントロールドライは、獣医さんからのおすすめ度ナンバーワンの療法食で、カルシウム、マグネシウムの配合が抑えられています。
しかし、主原料は米などの穀物になっており、またソルビン酸カリウム、BHA、没食子酸プロピルなど犬に危険な添加物も含まれています。与える場合はそれらを理解したうえで与えてください。
メディコート「pHサポート」
国産で、1kgあたり1,000円以下の価格で購入できるドッグフードです。楽天なら1kgあたり500円ほどで売られています。
こちらも主原料がトウモロコシなどの穀物になっています。トウモロコシはアレルギーを起こしやすいので注意が必要です。
また、動物性油脂やミートミールなど不明瞭な表記もあり品質については不安が残りますが、「ドッグフードは品質より安さだ」という人にはいいでしょう。
ナチュラルハーベスト「フラックス」
原産国はアメリカで、1kgあたり1,700円ほどのドッグフードです。ストラバイト結石とシュウ酸カルシウム結石の双方をケアするため、ベストな尿pH6.0~6.5を目指しています。
ナチュロルフラックスは主原料が精製白米になっているものの、ミネラルバランスを調整しキナ酸やビタミンCが豊富な食材を使用するなど、尿路結石の予防に適したドッグフードです。
アンモニダ「ニーレン」
原産国はドイツです。1kgあたり2,000円以上とちょっと高めになっていますが、腎臓ケアの療法食として作られたドッグフードです。
腎臓の働きが弱くなっているとリンやタンパク質を分解する働きも弱くなるため、リン、タンパク質が通常より少なくなっています。ドライフードには穀物が入っていますが、穀物にアレルギーがある場合はウェットフードの方を選ぶとよさそうです。
forza10(フォルツァディエチ)「リナールアクティブ」
原産国はイタリアで、1kgあたり2,000円ほどのドッグフードです。
リナールアクティブは腎臓ケアを目的とした、魚を主原料にしているイタリア獣医さんが推奨する療法食です。アレルギーに配慮して小麦グルテンフリーとなっていて、穀物は米とポテトを使用しています。世界基準のオーガニックであり無添加のところも嬉しいですね。
pHコントロールドッグフードまとめ
人間でもお産か?結石か?というほど「人生で最も痛い」こととして知られますが、犬も同じように痛みを伴います。愛犬が痛みに耐える姿は見たくないことだと思います。
それが毎日与えるドッグフードで予防できるのは嬉しいですよね。一度結石ができてしまうと再発率も高いといわれているので、いったん治っても油断しないで予防を続けてほしいと思います。