愛犬の健康のために飲料水は水道水とミネラルウォーターのどっちがいいの?

愛犬の飲料水

愛犬の健康のために、与えるドッグフードは厳選しているという飼い主も多いかもしれません。
ですがドッグフード以上に、気を付けて欲しいのは犬に与える飲料水です。
飲料水は、犬の健康に欠かせないモノで、飲料水選びによって健康が決まるといっても過言ではありません。

飲料水には、ミネラルウォーター、水道水(そのまま・浄水器・煮沸)、さらに飲料水は、軟水や硬水の2種類に分類されます。
一体どの飲料水を選ぶ事が愛犬の健康のためにいいのか、それぞれの飲料水の特徴について紹介します。
あと飲料水を選んだ場合、1日にどのタイミングでどれぐらいの量を与えるのが健康にいいのかも一緒に紹介していきます。

飲料水が愛犬の健康に欠かせない理由

犬の身体の67%は、水から作られています。
そのため水分不足になると、生命の維持が困難になってしまうぐらい水は必要不可欠な存在だと言えます。
愛犬の健康維持のためには、水と栄養素を摂取しなければいけません。

水は体内で化学反応をサポートしたり、汗をかく事で体温調節を行ったり、全身に栄養を運ぶ血液の成分としても使用されます。
なので愛犬が水分不足に陥らないように、いつでも自由に清潔な水が飲める環境を整える事が重要だと言えます。

愛犬に与えたい飲料水を選ぶポイント

水は大きく分類すると、硬水と軟水に分類する事が出来ます。
硬水には、カルシウムやマグネシウムなどのミネラルが豊富に含まれているので、硬水を与えた方が健康にいいと考える飼い主もいるかもしれません。
しかしながら、時々カルシウムやマグネシウムを摂取するために、愛犬に硬水を飲ませる分には健康に支障はありません。

ですが毎日与える飲料水には、必ず軟水を選ぶようにして下さい。
硬水を毎日与えると、愛犬がお腹を壊してしまったり、結石になる病気のリスクが高まってしまうので注意が必要です。
では、愛犬には軟水を与えるという事を前提として、次はそれぞれ飲料水の種類とその特徴について紹介します。

愛犬に「水道水(そのまま・浄水器・煮沸)」を与えても大丈夫?

犬は人よりも身体が小さい上に、鼻が敏感で臭覚が鋭いですよね。
そのため水道水では、カルキなどの消毒のニオイがして飲めないのでは?
そんなふうに思っている飼い主もいるかもしれません。

しかしながら基本的な考え方としては、日本の水道水は軟水で諸外国と比較すると、安全性が非常に高い水だと言えます。
そのため愛犬に水道水を毎日与えても、水道水が原因で健康を損なうという心配はいりません。

むしろ飼い主によっては、水道水に浄水器をつけたり、一度煮沸してからより安全な水にして愛犬に与えている飼い主もいるでしょう。
ですがそれらの行為は、安全面を考慮すると逆効果になるリスクがあります。

なぜかというと浄水器や煮沸をした水を愛犬がすぐに飲む分には、何も問題ありません。
カルキなどのニオイも気にならなくなり、より美味しい状態で水を飲む事が出来ます。
でも与えた水を愛犬がその場ですぐに飲むとは限りませんよね。

室内やゲージ内に愛犬が喉が渇いた時にいつでも水が飲めるようにと、水を設置している場合、どのタイミングで愛犬が水を飲むか分かりません。
そして浄水器や煮沸した水は、消毒の効果が薄れてしまっているため、雑菌が繁殖しやすい状態です。
そのため水を設置して、長時間が経過するとその水は雑菌だらけとなり、愛犬が飲むとお腹を壊してしまうリスクがあります。

飼い主が日中も家にいて、小まめに水を取り替えられる環境であれば、浄水器や煮沸した水を与えても問題ありません。
ですが仕事で日中は家を空けて、愛犬は一匹でお留守番をしているという場合は、雑菌が繁殖しにくい水道水をそのまま与えて下さい。
もしくは、水道水を愛犬に与える場合に、お勧めの方法は、ろ過フィルター付きの犬用自動給水器を使用する事です。

自動給水器であれば、いつでも新鮮な水を飲む事が出来るので、雑菌の繁殖やカルキ臭の心配もなくなります。
ただし定期的に自動給水器のフィルターの掃除を行い、衛生面には気遣うようにして下さい。

愛犬に「ミネラルウォーター」を与えても大丈夫?

愛犬に「ミネラルウォーター」を与えても大丈夫?という質問に対して、一概に大丈夫だと答える事は出来ません。
なぜならミネラルウォーターと一言でいっても、種類が多様で硬度にも違いがあるからです。
また愛犬の健康状態によって、ミネラルウォーターを与えても大丈夫な犬もいれば、大丈夫ではない犬もいます。

先ほど硬水と軟水の話の中にも出てきましたが、ミネラルウォーターは硬水です。
しかし原産地によって、水に含まれるカルシウムとマグネシウムの量は大きく異なります。
そのため愛犬にミネラルウォーターを与える時には、どの種類のミネラルウォーターを与えるのかが重要になってきます。

あと過去に尿結石を発症した事がある犬や、現在腎臓病などの持病がある犬には、ミネラルウォーターを与えないようにして下さい。
病気歴がない犬でも、普段から胃腸が弱く下痢になりやすい犬には、ミネラルウォーターを与えない方がいいでしょう。

お勧めの犬用のミネラルウォーター

では犬に与えても大丈夫なミネラルウォーターを紹介します。
あなたは犬用のミネラルウォーターが存在する事を知っていますか?
人用と比べて、犬用のミネラルウォーターは、犬の健康を考慮されています。

そのためカルシウムやマグネシウムの含有量が少ない超軟水や軟水の原産地の水が選ばれています。
お勧めの犬用ミネラルウォーターを紹介すると、「GEX アクティア ペットウォーター」は硬度が19mg/lの超軟水で犬の身体に優しい飲料水です。
ミネラルウォーターの中でも天然水で、加熱殺菌以外の処理は行っていないので、より安全性が高く安心して愛犬に与える事が出来るでしょう。

「アース・ペット ペットの天然水 Vウォーター」も天然水で、硬度は30mg/lの軟水です。
天然ミネラルが含まれますが、犬の健康維持に効果があるパナジウムが含まれています。

「ペットの水素水 ゼロミネラルmini」は、天然水からミネラルを全て除去した天然水で、ミネラルを除去した代わりに水素水を加えています。
加熱や冷凍保存も可能な水素水なので、外出時に愛犬に与える時に使い勝手がいいと言えます。

ちなみに犬用のミネラルウォーターの中には、水素が豊富に含まれる水素水があり、免疫力の向上や病気の予防を謳っています。
ただし、現時点では犬に水素水を与える事が本当に犬の健康に影響を与えるのか、その効果はまだ医学的に実証された訳ではありません。
ですが水素水は人の健康に効果があると言われていて、水素自体は犬の健康を損なう心配はないので、与えても問題はないと言えます。

お勧めの人用のミネラルウォーター

飼い主によっては、犬用ではなく家族で日常的に飲んでいるミネラルウォーターを愛犬にも与えているという家庭もあるかもしれません。
では犬用ではなく人用のミネラルウォーターの場合は、カルシウムやマグネシウムの量がポイントとなってきますが、どのミネラルウォーターなら愛犬に与えても大丈夫なのでしょうか?

人用のミネラルウォーターで定番の3種をチェックしていきます。
「サントリー南アルプスの天然水」の硬度は、30mg/lの軟水で、日本のミネラルウォーターの中でもトップ水準の低濃度です。
そのため愛犬にも安心して与える事が出来る、ミネラルウォーターだと言えます。

「アサヒ おいしい水「六甲」「富士山」」は、発売地域によって多少ミネラルの含有量が異なりますが、硬度は30~32mg/lなのでどの地域でも軟水に該当します。
硬水のミネラルウォーターではなく、軟水のミネラルウォーターなので、愛犬が一緒に飲んで問題ありません。

「いろはす」は、実は採水地が一箇所ではなく、複数箇所あるため、採水地によって硬度が異なります。
ですが高くても40mg/lまでに収まっているので、愛犬に与えても問題ない水準です。
しかもいろはすの魅力は、そのリーズナブルな価格設定ですよね。

やはり毎日与える飲料水だからこそ、価格も重要となってくるので愛犬に与えるミネラルウォーターを選ぶ時には、硬度以外にも価格も考慮しましょう。
あと、愛犬に人用のミネラルウォーターを与える時には、PHの数値も確認しましょう。
アルカリイオン水などの、PH数値が高い水も犬の健康を損なうリスクがあるためです。

愛犬に与える1日の水の量の目安

では、与える飲料水の種類が決まったところで、次は愛犬に与える水の量は、1日どれぐらいが目安になるのでしょうか?
犬種や室内の温度、運動量などによって多少変動しますが、目安としては愛犬の体重1㎏につき50mlを与えて下さい。
もし、水を設置していても、なかなか愛犬が飲んでくれない場合は、食事に水を加えてみて下さい。

または水に何も風味がないよりも、飲みたくなる風味がする方が飲んでくれる可能性がアップします。
例えばかつおぶし、すりごま、ゴマ油などを少量加えて、飲む量が増えるか様子をみましょう。

もしかすると水の温度が飲みづらい原因になっているかもしれません。
夏の暑い日にぬるい水は美味しくありませんよね。
あまり冷たい水を与えすぎるとお腹を壊してしまう要因になりますが、冷たい水を与える事も1つの方法です。

水を飲むタイミングは、食事をする時に一緒に水分も摂取するケースが多いですが、それだけでは不十分です。
特に夏場は脱水症状にならないように、散歩の前や散歩の後にしっかり水分補給をして下さい。
あとは犬が水が飲みたいと思った時に、いつでも清潔な水が飲める環境を整えておく事が重要です。

ただし注意点としては、犬が水を適量飲んでくれる分には健康的だと言えますが、ガブ飲みしている時は注意が必要です。
もしかすると病気が原因で、喉が渇き水をたくさん飲んでいる可能性があるからです。
肝臓病やクッシング症候群など、多飲多尿状態になりやすいため、水の飲み方が変化したらまずは病院に連れて行って下さい。

愛犬に与える飲料水まとめ

愛犬に与える飲料水ですが、水道水とミネラルウォーターのどちらがいいのかという選び方をしてはいけません。
ミネラルウォーターの中には、硬水のミネラルウォーターが存在し、硬水を与える事が愛犬の健康によくないためです。
そのためミネラルウォーターを与える場合は、犬用のミネラルウォーターを選ぶか、人用のミネラルウォーターの中で、軟水のミネラルウォーターを選ぶようにして下さい。

あと水道水に関しては、そのまま与えた場合でも特に犬の健康にとっては問題ありません。
ただカルキ臭が気になるという場合には、ろ過フィルター付きの犬用自動給水器を付けるといつでも新鮮な水を飲む事が出来るのでお勧めです。

浄水器や煮沸した水を愛犬に与える場合は、飲むまでの時間を考慮して与えるようにして下さい。
直後であればカルキ臭も軽減されてより、美味しく飲む事が出来ます。
ただしカルキ臭がする水道水は、消毒されている水だと言えます。

浄水器や煮沸をしてカルキ臭を抜いてしまうと、消毒で除菌されずに時間の経過をともに雑菌が繁殖しやすくなってしまいます。
雑菌が繁殖した水を飲んでしまうと、逆に愛犬のために良かれと思ってした行為が逆にお腹を壊してしまう要因となってしまいます。

愛犬に与える水を選択したら、あとはいつでも新鮮な水が飲める環境を整える事が重要です。
1日に摂取する水の量は、犬種や体重、1日の運動量や年齢によって変わってくるので、愛犬にはどれぐらいの水の量が必要か飼い主が把握しておいて下さい。
そして必要な摂取量よりも、極端にカブ飲みしていたり、全然水を飲もうとしない場合は、病気の可能性があるため異変を感じたらすぐに病院へ連れていってあげて下さい。

犬にとって水とは、健康に欠かせない生命維持に必要な存在です。
そのため水の摂取量に異変があるという事は、命に係わる可能性もあるという事を理解しておきましょう。