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柴犬おすすめドッグフード5選!子犬・シニア向けの餌や選び方

柴犬専用ドッグフード

忍耐強く主人に忠実、それでいて愛嬌のある柴犬は日本土着の犬種の中でも特に人気です。

日常的に飼いやすいイメージがあることも柴犬の人気を後押しする要因となっていますが、安全に柴犬を飼うには必ず知っておくべき知識も存在します。

代表的なのは、ドッグフードの選び方と適切な与え方についてです。

実際に柴犬を飼い始める前に、このようなドッグフードに関する疑問点を解消しておくことは、愛犬に負担をかけないためにも非常に重要になります。

本記事では、柴犬のドッグフード選びのコツや注意点を総合的に紹介していますので、柴犬の餌について学びたい方はぜひ参考にしてみてください。
もくじ

柴犬のドッグフード選びのコツとは?

まず柴犬に与えるドッグフードはどんな基準で選ぶべきなのか解説します。

ただ、一言で柴犬といっても「幼犬」「成犬」「老犬」と、年齢によって適切なドッグフードの選び方は変わってきます。

また、現在の体重や病気の有無などを考慮する必要もあるので、あくまで参考として、愛犬の個性に合ったドッグフード探しを心掛けてください。

筋肉を育てやすい高タンパクなドッグフードを選ぶ

柴犬の大きな魅力のひとつが、しなやかに引き絞られた筋肉からなる肉体美です。

太古から日本人の狩りをサポートしてきたというだけあって、まるでサムライを思わせるような柴犬の佇まいは、日本のみならず海外の愛好家達をも魅了してやまない特徴となっています。

ほとんどが家庭犬となった現在においても、柴犬は非常に運動好きであることから、常に全身の筋肉を使って躍動しています。

そのため、柴犬のドッグフード選びでまず何よりも重要なのは、健全な筋肉の育成を助ける「動物性高タンパク質」の原材料を多く含むものを優先すること。

タンパク質には大きく分けて植物性と動物性の2種類があり、人間の感覚では「何となく植物性の方が体によさそうだ」という印象もあるでしょう。

しかし柴犬は、起源であるオオカミから立派な肉食獣の遺伝子を受け継いでいるため、その筋肉の育成には動物性のタンパク質が必要となるのです。

ドッグフードに含まれる動物性高タンパク質の原材料には以下のようなものがあります。

  • 鶏肉
  • 牛肉
  • 豚肉
  • 羊肉
  • 鹿肉
  • 馬肉
  • 魚肉

このうち特にドッグフードに使われることが多いのは鶏肉で、チキンやささみ肉などは大抵のドッグフードに採用されています。

しかし、柴犬は鶏肉でアレルギー症状を起こすケースも多いことから、慎重に判断する必要があるでしょう。

また、牛肉や豚肉も実は柴犬とは相性が悪い場合があります。

こうした点を踏まえると、柴犬の筋肉を鍛える高タンパク質なドッグフードを選ぶ際には、羊肉や魚肉といった原材料に注目するのがおすすめです。

比率としては、AAFCO(全米飼料検査官協会)調べによる「成長期にはドッグフード全体の22.5%、維持期には18%」というタンパク質の基準値を目安に、柴犬に対してはそれよりも少し多めのタンパク質量を意識するといいでしょう。

太りやすい柴犬には低脂質のドッグフード

柴犬は運動好きですが、そのぶん運動量が落ちると一気に太ってしまうことがあります。

そのため、低脂質なドッグフードを選ぶことも大切です。

とはいえ、高タンパク質なドッグフードは低脂質でもあることがほとんどなので、ドッグフード選びの際にタンパク質量と一緒に脂質量もチェックしておく程度で問題はないでしょう。

ただし、いつも通りのドッグフードを与えていたのに急に太り出してしまったという場合には、改めて脂質量を調べながらドッグフードを選び直す必要があります。

柴犬が急に太り出すのにはいくつか理由が考えられます。

  • 散歩の頻度が減って運動不足になった
  • ドッグフードを上手く消化できなくなった
  • 去勢や避妊によって1日に必要なエネルギー量が変わった
  • 加齢によって代謝が落ちた

天候不順や飼い主の事情で散歩の回数が減った程度であればドッグフードまで変える必要はないかもしれませんが、それ以外の場合には食生活を根本から見直して、1日に摂取する脂質量を減らすことも考えてみましょう。

脂質コントロールはあくまで愛犬の体調に合わせて行うことが重要ですが、一般的に犬に与える脂質は14%を超えると高すぎると判断されます。

現状維持のためには脂質12~14%程度、ダイエットを目指すなら脂質12%以下を目標にして、ドッグフードを調整してみてください。

副食やおやつを与えるなら主食のドッグフードは低カロリーにする

ドッグフードの他に副食やおやつを与えている場合、気が付かないうちに必要以上のカロリーを摂取している可能性があるので、主食のドッグフードのカロリーはしっかりチェックしておきましょう。

ドッグフードには、1種類で必要な栄養素をすべてカバーすることができる「総合栄養食」の他に、「副食・栄養補完食・おやつ」といった分類があります。

副食とは、主に餌の食いつき促進を目的としてメインのドッグフードに追加するもので、総合栄養食に対して「一般食」という名称で販売されるケースもあります。

また、味に変化をつける「ふりかけ」の形になっていることも多いのが副食の特徴です。

栄養補完食とは、通常のドッグフードだけでは足りない栄養素をピンポイントに摂取するためのフードで、人間のサプリメントに相当します。

栄養のバランスを簡単に整えることができますが、与え過ぎると愛犬の消化に負担をかけてしまうので注意しましょう。

また、おやつはその名の通り、嗜好品として愛犬に与えることを想定したフードです。

柴犬は偏食が激しい子や同じドッグフードに飽きやすい子が多いので、適度におやつを与えることも重要になります。

副食・栄養補完食・おやつといったドッグフードも積極的に利用することを考えると、主食となるドッグフードのカロリー計算はあらかじめ少なめに見積もっておく必要があるでしょう。

認知症や皮膚病対策として脂肪酸の配合にも注目

柴犬が発症しやすい病気には、皮膚病や認知症がよく知られています。

オメガ3脂肪酸・オメガ6脂肪酸」という栄養素は皮膚病の緩和、認知症の予防などに効果が高いとされています。

“科学的にあくまで効果が期待できる”という程度であることを認識しておくべきですが、オメガ3脂肪酸・オメガ6脂肪酸を多く配合しているドッグフードは、その時点で健康意識の高い製品であると判断することもできるでしょう。

また、オメガ3脂肪酸・オメガ6脂肪酸は必須脂肪酸の一種のため、ほとんどの総合栄養食に配合されていますが、実は成分表への表示義務がありません。

そのため、必須脂肪酸の配合比率や原材料名が正確に記載されているドッグフードは、より安全性の高い製品であると判断することもできます。

足腰が衰えてきたら早めに老犬向けドッグフードを用意する

柴犬の平均寿命は12~15歳と、犬としては比較的長生きです。

しかし、大半の柴犬は7~9歳の時期にはもうシニア期に入ってしまいます。

つまり、生涯のうちの長い時間を老犬として生きることになるので、ドッグフードに関しても早めに老犬用に切り替える予定を立てておく必要があるでしょう。

切り替えの目安となるのは、足腰が衰えてきた段階になります。

毛並みや歯周病などから判断することもできますが、筋肉質である柴犬の場合は、その筋肉の衰えが一番わかりやすい老化のサインになると考えていいでしょう。

ダッシュ力やジャンプ力の衰えなどは毎日散歩につきあっていると逆に見逃してしまうこともあるので、定期的に記録をつけておくのも有効です。

老化が本格的に進行すると耳と目が悪くなり、そのうち既存のドッグフードもどんどん受けつけなくなっていきます。

なるべくそうなる前の段階で老犬用のドッグフードに切り替えておいて、適切に栄養を摂れるようにしてあげてください。

可能な限り無添加・無着色のドッグフードが好ましい

ドッグフードにはさまざまな添加物や着色料が使われる場合がありますが、そのほとんどは犬の健康のためではなく、保存の長期化や飼い主から見たときの「見映えのよさ」のために使われています。

ですので、愛犬の健康を第一とするなら無添加・無着色のドッグフードを選ぶと安心です。

ただし、保存料や酸化防止剤をまったく使っていないドッグフードは当然傷みやすいため、安全性という意味では一長一短があります。

添加物についても必要な栄養素を追加するのに有効な面もあるので、必ずしも無添加・無着色のものを選ぶのではなく、ケースバイケースで自分と愛犬にとって最適なドッグフードを選ぶことが大切です。

原材料名や成分比率を細かく記載しているかをチェック

原材料名や成分の比率をどこまで正確に記載しているかはドッグフードごとに異なります。

細部まで記載しているから必ず安全とは限りませんが、最低限メインとなるタンパク質の原材料と比率については明記されているドッグフードを選んだ方が賢明です。

原材料名がはっきりわかっていないと、愛犬がアレルギーを起こした際にどのアレルゲンに反応しているのか調べることが難しくなります。
特に動物性タンパク質の原材料に対する反応は同じ柴犬でも個体差が非常に大きいため、最初に与えるドッグフードは原材料名と成分比率をよく確認しながら慎重に与えていくようにしてください。

食物アレルギー対策には「グレインフリー」や「単一タンパク」のドッグフードを試す

複数の原材料を使っているドッグフードでは、どうしてもアレルギー反応を起こす確率は高くなってしまいます。

穀物アレルギーが疑われる場合には「グレインフリー(穀物不使用)」と表記しているドッグフードを選ぶことも有効な解決策となるでしょう。

とはいえ穀物には柴犬の育成に役立つ栄養素も多数含まれているので、よほどの不安がない限りはグレインフリーに過度にこだわるのは逆効果となります。

動物性タンパク質の原材料の中にアレルギーが疑われる際は、原因物質の切り分けをする上でも「単一タンパク」のドッグフードを利用すると便利です。

単一タンパクとは、動物性タンパク質の原材料を1種類のみに限定しているタイプのドッグフードになります。

味に広がりがなくなってしまうので好みが分かれるところはありますが、単一タンパクのドッグフードであらかじめ安全な原材料を把握しておけば他の複合系ドッグフードも選びやすくなるでしょう。

柴犬のドッグフード選びは、高タンパク・低脂質に加えて安全性や病気への対策も意識して行いましょう。

柴犬におすすめなドッグフード5選

ここからは特に柴犬におすすめできるドッグフードを、具体的に5種類紹介していきます。

必ずしもこの中からドッグフードを選ぶ必要はありませんが、どんなポイントが柴犬によって有益なのかを知っておくと他のドッグフードも選びやすくなるはずです。

モグワン

モグワン

形状 ドライフード
対象年齢 全年齢
価格(税込) 4,708円 1.8kg
主原料 チキン&サーモン(生肉と乾燥肉)56.5%
脂質 10%
カロリー/100g 361.5kcal
骨・関節軟骨成分 グルコサミン・MSM・コンドロイチン
添加物 ビタミン類、ミネラル類
原産国 イギリス
公式サイト https://www.mogwandogfood.co.jp/cart

モグワンドッグフードは「ヒューマングレード」と呼ばれる人間基準の安全性や美味しさを満たした食材のみを利用して作られた、高級感と安全性を両立させたドッグフードです。

チキンとサーモンを中心とした動物性タンパク質が全体の50%以上を占めているという、柴犬の筋肉を育てるためには理想的な配合ともなっています。

またオメガ3脂肪酸・オメガ6脂肪酸を始めとした、柴犬が発症しやすいと言われている皮膚病や関節病の予防に役立つとされる成分も多数含まれています。

ただし柴犬専用というわけではないので、チキンなど一部の原材料がアレルギーの原因になってしまう可能性はあります。

そのため、最初は少しずつ与えて愛犬の反応を見ておくようにしましょう。

グレインフリー・着色料、香料不使用
モグワンはこちら
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ロイヤルカナン 柴犬専用フード(成犬用)

ロイヤルカナン 柴犬専用フード

形状 ドライフード
対象年齢 生後10ヶ月~8歳
価格(税込) 2,167円 800g
主原料 とうもろこし・米・肉類(鶏、七面鳥) 24.0%
脂質 12.0%
カロリー/100g 376kcal
骨・関節軟骨成分 加水分解甲殻類(グルコサミン源)・加水分解軟骨(コンドロイチン硫酸源)
添加物 ビタミン類・ミネラル類・保存料・酸化防止剤
原産国 フランス
公式サイト https://www.royalcanin.com/jp

ペットフードの一大ブランドであるロイヤルカナンが販売している柴犬専用ドッグフードです。

子犬用、成犬用、中・高齢犬用と3段階のライフステージに合わせた商品展開がされているため、年齢に合わせて迷いなく選ぶことができます。

一袋に8kgが入った大容量の商品も用意されているので、複数頭の柴犬を一緒に飼っている場合にはコストパフォーマンスをさらに上げることも可能です。

プロマネージ 柴犬専用(成犬用)

プロマネージ 柴犬専用

形状 ドライフード
対象年齢 1歳~6歳
価格(税込) 2,068円 1.7kg(Amazon参考)
主原料 米・チキンミール・さとうもろこし・とうもろこし・フィッシュミール 24.0%
脂質 12.0%
カロリー/100g 350kcal
骨・関節軟骨成分 カルシウム 0.90%
添加物 ビタミン類・ミネラル類・酸化防止剤
原産国 オーストラリア
公式サイト https://www.promanage-pet.jp/

9種類もの犬種別に専用ドッグフードを販売しているプロマネージの柴犬用フードです。

柴犬専用ドッグフードはさらに「成犬用」と「7歳からの柴犬専用」に分かれており、柴犬がシニア期に入る7歳を明確な区切りにして商品展開を行っているのも特徴です。

原材料にはアレルギーを引き起こす可能性の低い米・魚・チキンがバランスよく配合されているため、アレルギーに配慮しながらきちんと肉や穀物も与えてあげたい場合には最適な選択肢となるでしょう。

日本犬 柴専用(成犬用チキン味)

日本犬 柴専用 成犬用 チキン味

形状 ドライフード
対象年齢 1歳~6歳
価格(税込) 1,350円 2.2kg(Amazon参考)
主原料 穀類・豆類・肉類(チキンミール、ポークミール、フェザーミール) 21.0%
脂質 7.0%
カロリー/100g 315kcal
骨・関節軟骨成分 カルシウム 0.8%
添加物 ビタミン類、ミネラル類
原産国 日本
公式サイト https://www.yeaster.co.jp/d/nihonken/

日本犬柴専用シリーズはその名の通り柴犬に特化した専用ドッグフードです。

味の種類や生育段階によって複数のシリーズ商品が用意されているため、飽きがきたりライフステージが変わった際にも「柴専用」同士で簡単に切り替えることができます。

このうち「成犬用チキン味」は全成長段階用と比較して脂質を22%カットした低脂肪設計。

またシリーズの特徴として、健康と栄養だけでなく美容にもこだわった成分が配合されているのも特徴のひとつです。

DHAやDPAといった定番のものからカモミールや月見草オイルといったものまで取り入れて、柴犬らしい美しい毛並みの維持をサポートしています。

ナチュラルバランス ウルトラプレミアム スウィートポテト&フィッシュ

ナチュラルバランス ウルトラプレミアム スウィートポテト&フィッシュ

形状 ドライフード
対象年齢 全年齢
価格(税込) 2,200円 1kg
主原料 サーモン・さつまいも 21.0%
脂質 10.0%
カロリー/100g 327kcal
骨・関節軟骨成分 カルシウム 1.0%
添加物 なし
原産国 アメリカ
公式 https://www.profit-inc.co.jp/

サーモンのみを原材料とする単一タンパクとグレインフリーにこだわった、アレルギー症状に悩む柴犬向けのドッグフードです。

メインの原材料はサーモンとさつまいもだけとなっており動物肉類・穀物類は一切含まれていないことから、アレルギーの原因の切り分けが難しい柴犬でも安心して食べることができます。

ただし味や匂いはやや独特になっているので、食いつきの問題が出てきてしまうかもしれない点には注意が必要です。

ドッグフードは値段やブランド名だけを見るのではなく、成分表までしっかり確認することが大切です。

柴犬専用のドッグフードは全犬種用とどう違う?

ドッグフードには特に犬種を指定しない全犬種用と、特定の犬種専用のものとがあります。

柴犬は日本のみならず世界的にも人気の高い犬種ですから、柴犬専用ドッグフードも数え切れないほどの種類が販売されています。

しかしその中には全犬種用と大差のないまま値段だけが上がっているものもあるので、専用フードと全犬種フードの何が違うのかについて正しく理解しておくことも大切です。

柴犬専用ドッグフードは入手方法が限定される

柴犬は日本では特に人気の犬種であることから、専用ドッグフードの入手方法も他の犬種に比べて豊富に用意されています。

それでも近くのスーパーやドラッグストアに確実に置かれている保証はないため、入手性の高さを重視するなら全犬種用のドッグフードを選んでおいた方がいいでしょう。

通販を利用するから店が近くになくても問題ないと考える飼い主もいますが、通販には配送トラブルの可能性があるので頼りすぎるのは危険です。

柴犬専用ドッグフードの方が全犬種用よりも値段は高め

柴犬専用に調整されているドッグフードは高級食材を使っているケースも多いことから、値段は全犬種用よりも確実に高くなります。

大量に販売される全犬種用のドッグフードは割引も頻繁に期待できますが、柴犬専用となると基本的には定価で購入するしかないと考えておくべきでしょう。

ただし公式サイトからのまとめ買いで割引が適用される専用ドッグフードも存在するので、購入時には個別にキャンペーンを確認することも大切です。

専用ドッグフードはライフステージの変化に対応しやすい

専用ドッグフードを使う大きなメリットのひとつに、愛犬のライフステージの変化に対応しやすい点が挙げられます。

全犬種用のドッグフードを使っていると、幼犬期から成犬期、そして老犬期へと移行する段階での代替ドッグフード選びが難しくなります。

まったく別の種類に変えてしまうと食の好みやアレルギー対策が合致しなくなってしまう可能性が高く、また購入ルートも別途探す必要が出てくるでしょう。

しかし、柴犬専用のドッグフードは同じブランド内で幼犬用・成犬用・老犬用のそれぞれを用意しているケースが多いので、愛犬のライフステージが変わってもスムーズにドッグフードを移行させることができます。

専用ドッグフードは柴犬に起きやすいアレルゲンを避けている

全犬種用ドッグフードの成分表とにらめっこしながら、柴犬に向いていない原材料が入っていないかをひとつひとつ確認していくのは大変な作業です。

柴犬専用のドッグフードはそもそも柴犬に有害となる可能性の高い原材料を採用していないので、アレルギー対策は格段に楽になります。

さらに単一タンパクやグレインフリーの柴犬専用ドッグフードを与えることで、アレルギーに関する心配はほぼ抑えることができるでしょう。

ただし柴犬は味の好みにうるさいので、単一タンパクやグレインフリーの専用ドッグフードだけを与えてもすぐに飽きてしまう場合があります。

その場合は、同じく柴犬への悪影響が少ないタイプの副食や栄養補完食で、足りない栄養を補うのが有効です。

全犬種用を選んだからといって必ず問題が起きるわけではない

柴犬専用ドッグフードを使用することにはさまざまなメリットがありますが、だからといって全犬種用ドッグフードが劣っているとは限りません。

全犬種用ドッグフードもコストの安さや入手の簡単さ、愛犬が飽きた際にすぐに別の選択肢を用意できるといった複数のメリットを持っています。

つまり、問題となるのは栄養バランスとアレルギー対策だけなので、そこをクリアすることができれば、全犬種用ドッグフードを使うことに障害はなくなると考えていいでしょう。

専用か全犬種用かにこだわるのではなく、獣医への相談も行いながら愛犬の反応も見つつ、適切なドッグフード選びをすることを忘れないようにしてください。

柴犬に与える1日の給餌量と回数について

柴犬への餌やりは1日ごとに数回に分けて行います。

しかし給餌量と回数は、愛犬の体調や年齢に合わせて細かく調整していくことが望ましいため、下記の情報もあくまで目安のひとつとして捉えておいてください。

幼犬期は1日3回~5回が目安

時期 給餌回数(1日)
幼犬 3~5回
生後3ヶ月まで 3~5回
4ヶ月から5ヶ月まで 3~4回
生後6ヶ月以降 3回

幼犬の柴犬は大量のエネルギーを必要とするのに対して消化器官はまだ未発達なことから、1日ごとに3回~5回に分けての餌やりをすることが大事になります。

生後3ヶ月までは最大5回、4ヶ月から5ヶ月までは最大4回と徐々に餌やりの回数を減らしながら調整していきましょう。

生後6ヶ月以降は1日3回の餌やりで問題ないですが、成長期の柴犬は多少食べすぎても豊富な運動量でカロリーを筋肉に変えてしまうので、元気に育てたいなら1回の給餌量を増やしてあげても大丈夫です。

ただし、幼犬の段階でおやつを与えすぎると食の好みが偏って成長後にも悪影響を及ぼすので、おやつは躾のためにだけ使うようにしておきましょう。

成犬期には状態に合わせたカロリー計算が必須

成犬期の柴犬の体重は6kg~14kg程度と、個性の違いによっては倍以上の差が生まれます。

小さな体を特徴とする「豆柴」ではさらに軽いこともあるので、単純に柴犬全体の平均体重を参考に給餌量を決めるのはやめておくべきでしょう。

また、同じ体重でも筋肉質の健康体と肥満気味の状態では、当然ながら与えるべき餌の量は変わります。

そのため成犬の柴犬に対する給餌量は、その子の体調をしっかり見極めながら柔軟に変えていくのが望ましいでしょう。

さらに、成犬の場合1日の食事回数は2回が基本になりますが、人間に合わせて3回与えたいならお昼は少なめにするなど、カロリー過多にならないように調整が必要です。

老犬期にはまた回数を増やしつつ量は下げる

老犬期になると消化器官が弱ってくるため、1回の食事量を減らし回数を3回程度に増やして対応する必要が出てきます。

ただし、全体の給餌量は成犬期の2/3程度に落とすことも求められるため、飼い主が強く意識しながら1回ごとの量を減らすことが重要になります。

とはいえ一方的に減らすと愛犬が不満を持つので、相手の自主性に任せて「食べ残したら次はそのぶん減らす」といった形でコミュニケーションを取りつつ一緒に調整していくようにしましょう。

具体的なドッグフードの量の決め方

まずドッグフードに記載されている推奨量をそのまま与え、翌日のフンの硬さを見ながら微調整していくのが基本となります。

犬のフンは餌を食べすぎると消化しきれず軟便になり、逆に量が足りないと硬い便となって出てきます。

最適な硬さは、ティッシュ越しに指でつまんで持ち上げた際に軽くへこんで指の跡がつく程度です。

また愛犬が適正体重にあるのかを知るには「BCS(ボディコンディションスコア)」という指標を使う方法があります。

BCSはペットに限らずあらゆる動物の肥満状態を視診と触診によって調べるためのツールですが、特に愛玩犬に対しては以下のようなポイントを重視して判断します。

  1. 真横からウエスト部のくびれ具合を見る
  2. 真上から同様にウエスト部のくびれ具合を見る
  3. 実際に胸骨部を撫でてアバラの浮き具合を調べる
  4. そのままウエスト部まで触ってくびれを実際に確認する
  5. 最後に腰骨部を触り浮き具合を調べる
見た目からくびれや肋骨が容易に確認できるなら「痩せすぎ」、逆に見た目でウエストが確認できず手で骨を撫でられないなら「太り過ぎ」と判定します。

理想的なのは「脂肪の沈着のない肋骨を容易に撫でられ、見た目に脂肪による垂れ下がりがない」状態です。

見た目には問題なくとも実際に触ってみると「やや痩せ・やや太り」に該当するケースは多いので、慎重にチェックしてみてください。

柴犬がドッグフードを食べなくなってしまう理由は?

柴犬は食の好みが繊細なので、ちょっとしたきっかけでドッグフードの食いつきが悪くなることがあります。

しかしその一方で、食欲不振の影に深刻な病気が潜んでいる可能性もあるため、食いつきの悪さを軽視するのも問題です。

食の選り好みが激しくなっている

古代から日本人と暮らしてきたからというわけでもないと思いますが、柴犬には「普段は謙虚で忍耐強いのに食に関してはグルメでこだわりが強い」という妙に日本人っぽい特徴があります。

一度気に入ったドッグフードであっても、ある日いきなり飽きて食べなくなってしまうこともあるので注意しましょう。

また味の変化にもうるさく、ドッグフードが製造工程を少し変えただけで受けつけなくなってしまうこともあります。

そんなときは副食でトッピングを加えて味に変化をつけてみたり、お湯でふやかして食感を変えてみるなどの工夫をしてみるのがおすすめです。

いきなりドッグフード自体を変えるとアレルギーの問題などもあるので、できるだけ飽きを解消する方向に持っていくようにしましょう。

また食事を残した際はそのままにせず、必ず決められた時間に皿を下げることも大切です。

わがままを矯正する躾になるだけでなく、体調不良で本当に食欲がなくなっているときに食べられない餌を目の前に置かれるストレスを軽減する配慮にもなります。

舌・歯・口の内側などを痛めている

舌や歯など口内を痛めている場合にも、柴犬の食が細くなることがあります。

口内のダメージは飼い主が自力で調べるのは難しいので、何か思い当たるならすぐに獣医の診察を受けるようにしてください。

幼犬期には歯の生え変わりに関するトラブル、老犬期には歯周病などの病気が起こりやすくなります。

ドッグフードを噛み砕く力がない

まだ噛む力の弱い子犬の段階や、逆に老いが進行した段階ではドッグフードを噛み砕くことができないケースも増えてきます。

有効な対策としては、ドッグフードの粒を細かく砕いてあげたり、お湯でふやかして食べやすくする工夫が挙げられます。

他にも、ドッグフード自体をドライタイプから柔らかいウェットタイプに変えてあげるのもいいでしょう。

多大なストレスに晒されている

一般的に柴犬は忍耐強いとされていますが、精神的ストレスへの耐性には個体差があります。

引っ越しなどの環境の変化、見知らぬ人に近づかれたり触られたりする不快感などは特に柴犬に多大なストレスを与えることがあります。

たとえば番犬として飼われている柴犬は吠えることが仕事ではありますが、吠える以上は警戒心によるストレスに常に晒されているともいえるでしょう。

負荷が積み重なれば人間と同じように心を病んでしまうこともあるので、どんな柴犬にもストレス発散の機会は定期的に与えてあげてください。

運動量が落ちている

病気や加齢によって運動量が落ちると、当然ながらそれまでと同じ食事は喉を通らなくなってしまいます。

運動量の低下が一時的なものでないならライフステージが変化するサインと受け取って、ドッグフードの量や種類を検討するきっかけにしていきましょう。

また食欲や運動量が低下する原因が目に見えてわからない場合には、隠れた病気の兆候という可能性が十分にあり得ます。

普段からよく食べよく動いていた柴犬が急におとなしくなってしまったら、なるべく早く獣医に相談するようにしましょう。

柴犬に食事を与える際の注意点

ドッグフードの選び方や与え方以外にも、柴犬の食事では注意するべき点があります。

ここでは飼い主が気をつけておいた方がいいポイントを3つ紹介していきます。

犬にとって危険な食材を近づけない

人間には無害でも犬にとっては非常に危険な食べものが存在します。

  • ※チョコレート
  • ※カフェイン
  • ※にんにく
  • ※たまねぎ
  • ぶどう
  • レーズン
  • ※キシリトール
  • アルコール
  • 生のパン生地
  • ナッツ類
  • 乳製品

など。(※は特に危険度が高い)

チョコレートやにんにく・たまねぎ類の危険性は有名ですが、家に置いてあるものをうっかり柴犬が食べてしまう事故も少なくありません。

子犬の段階で餌の躾をしっかり施していないと「拾い食い」のリスクが跳ね上がってしまうため、できるだけ生後3ヶ月までに「決められた時間と場所で出されるドッグフード以外は勝手に食べない」ことを徹底しておくようにしましょう。
おやつも「何かをしたあとのご褒美」であることを理解してもらい、飼い主が持っているものなら何でも食べていいといった誤解を与えないことが大切です。

食べている様子を見つめすぎるのは禁物

柴犬の警戒心の強さは自分の餌や縄張りに対して頑固になりやすい特徴にも繋がっています。

特にドッグフードを食べている最中の柴犬をじっと見つめると「餌を取られるのではないか?」というストレスを与えてしまうので、食べっぷりを観察する際も少し離れた場所からそれとなく見守ることを意識してみてください。

「豆柴」は単に体の小さい柴犬であることを忘れずに

最近は「豆柴」と呼ばれる小さな柴犬も人気となっています。

しかし豆柴という犬種は存在せず、あくまで体の小さな柴犬同士から生まれた子ども達をそう呼んでいるにすぎません。

そのため、豆柴に対していわゆる「小型犬」と同じ扱いをするのはNGとなります。

小型犬用のドッグフードを豆柴に与えること自体に大きな害はありませんが、運動量が豊富な柴犬にとっては栄養が足りなくなる恐れもあります。

ですので、豆柴への給餌量は他の小型犬ではなく必ず柴犬を基準として、体重を見て判断するようにしてください。

また、豆柴が大きくなってしまうのが嫌だからといってドッグフードの量を減らす行為は明らかな虐待に当たります。

豆柴は子犬の状態で小さく可愛くても成犬になれば普通に成長することもよくありますから、その点をきちんと理解した上で飼い始めるようにしてください。

柴犬とドッグフードに関するよくある質問集

最後に柴犬とドッグフードにまつわるよくある質問をまとめておきます。

柴犬の餌代は年間でどれくらい必要?

柴犬の給餌量はその子の年齢や食欲、体の大きさなどによって大きく変わります。 メインとなるドッグフードが決まったら、それが1ヶ月に何袋消費されるのかを計算して、そこから年間の餌代を大まかにでも見積もっておくようにしましょう。 例えば、「1袋1.8kgのモグワン」ドッグフードを「体重10kg・1日の給餌量200g」の成犬に与えることを想定すると、30日で約3.3袋のモグワンを消費することになります。 12ヶ月で約40袋ですから、モグワンの定価4,708円を基準とすると年間の餌代は「188,320円」です。

柴犬にご飯を手作りしてあげてもいい?

手作りご飯には、原材料を正確に把握できる点や愛犬の個性に合わせた食事を用意できる点など、いくつかメリットはあります。 しかし、どんなに気をつけていても、犬にとっての危険な食材を飼い主が確実に避けられる保証はありません。最近では飼い主が調理をすることで完成する「市販の手作りドッグフード」も販売されているので、上手く活用してみるのもいいでしょう。

ドッグフードを切り替える際にコツはある?

ドッグフードの切り替えは、いきなりすべてを変更するのではなく2種類を混ぜながら徐々に移行していく方がスムーズに進みます。 新しいドッグフードにアレルゲンがあった場合にも、量を少なくしておけば最悪の事態を避けることができるでしょう。 具体的には今までのドッグフード9割に新しいドッグフード1割を混ぜるところから始めて、1日ごとに新しい方の割合を増やしていくのがおすすめです。

柴犬のドッグフードはどう保存したらいい?

ドッグフードは空気に触れた瞬間から酸化を始めて、徐々に劣化していきます。 一旦開封したドッグフードはパックに小分けして保存したり、専用の「フードストッカー」に納めておくのがおすすめです。

肥満の柴犬はすぐにドッグフードを変えるべき?

柴犬が肥満になる主な原因は運動不足なので、ドッグフードを変えるよりも先に、まずは運動回数を増やすことを心掛けましょう。 食事改善だけで痩せることができないのは人間も柴犬も同じです。 また、愛犬の好みと体質に合ったドッグフードを選び直すのは大変なので、基本的には種類の変更ではなく量の調整で体重管理をするといいでしょう。

ドッグフードが合っているかどうかの判断基準は?

「嘔吐や肌荒れなどのアレルギー反応を起こしていないか?」「適切な分量を毎回食べ切っているか?」「数週間食べ続けて体重や体型は適正に保たれているか?」給餌量は愛犬の年齢と体型を基準に考えますが、最初から食の細い子もいるため、個性をよく観察しながら適切な量を探っていくのがいいでしょう。

柴犬におすすめのドッグフードと選び方まとめ

柴犬のドッグフード選びで特に重要なのは以下のポイントになります。

  • 原材料のアレルギー反応に注意する
  • 成長段階に応じて種類を変更する
  • 安定して愛犬に与えられる環境を整える

柴犬のアレルギーは個体差が激しいため、他の柴犬には何の問題もないドッグフードがうちの子にだけ影響するということもあります。

しかしドッグフードの種類は非常に多岐に渡るため、真剣に探せば必ずその子に合ったドッグフードを見つけることが可能です。

また幼犬期と成犬期、そして老犬期という成長段階に応じてドッグフードを変えることも意識しておきましょう。

特に、柴犬の長い老後を健康に過ごしてもらうためには、老犬用に最適化されたドッグフードの助けが大切になります。

どんなに相性のいいドッグフードでも、毎日安定して与えられないと意味がありません。柴犬のドッグフードは入手性や値段の手頃さといったところまで考えて選ぶようにしてください。
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