犬の療法食って?療法食タイプのドッグフードってあるの?注意点・与え方・購入に関する疑問

療法食のドッグフード

人間だけでなく、動物だって病気にかかりますし、あなたが飼っている愛犬だって、もちろん風邪などの軽度の病気から、ガンなどの重病にかかることだってあります。
そんな病気にかかった際に、いつもと同じごはんを与えてはワンちゃんは食べないかもしれませんし、何よりも、体に負担がかかることがあります。
そこで必要となるのが療法食ですが、これは一体どういったものなのか、そういったドッグフードはあるのか、ご紹介していきたいと思います。

療法食って何?

そもそも、療法食とはどういったものなのかということから見ていきましょう。

療法食とは、特定の病気や健康状態に対応するために、特別に栄養バランスを調整したドッグフードのことを言います。
また、これは一般的に獣医師の指導に従って与えられるものとなっていますので、自己判断で療法食を愛犬に与えることはやめましょう。
具体的にいうと、犬が病気になってしまった場合、その症状に合わせて特定の栄養素を増やしたり減らしたりするなどします。
病気や体調によっては、今までのものと、食事の内容をガラリと変得なければならないケースもあります。
病気の治療のためには食事管理が欠かせないものも少なくありませんが、特別な食事を与え続けるというのは、飼い主さんにとっても負担となりますし、完璧なものを作るというのはほぼ不可能です。
そういった問題を解決するためにも、療法食のドッグフードがありますので、心配しないでくださいね。
ただし、「○○に配慮したドッグフード!」とか、「○○の健康」などと書かれているドッグフードがありますが、これらは療法食ではなく、機能性ドッグフードと呼ばれているものです。
療法食と似た雰囲気なので、代用品として使いたいと思ってしまうかもしれませんが、機能性フードは病気の治療や予防を目的としたものではないので、代用できません。
機能性ドッグフードというのは、健康をキープするため、気になるポイントに応じて、栄養素などを配慮したドッグフードのことをいいます。
病気のケアや食事療法を目的としたものではないので、与え方を間違えたことによって逆に病気が進行してしまうということもありますから、あげる際には十分な注意が必要となります。

どんな療法食のタイプがあるの?

療法食といっても、もちろん、病気によってあげるものが異なってきますから、いくつかのタイプがあります。
一体どんな種類があるのか見ていきましょう。

消化器疾患のケアに用いる療法食
胃腸が弱いワンちゃんというのは結構いるかと思いますが、慢性的にそうだというワンちゃんには療法食が必要となります。
例えば、便秘の場合には、繊維質をたくさん含んだ療法食を、そして、食物アレルギーを持つワンちゃんはアレルギー対策がされたものなどが必要となります。

腎臓疾患のケアに用いる療法食
腎臓疾患の療法食は、血液中に老廃物が増えるのを防いで、病気を進行させないようにすることを目的としています。
リンやナトリウム、たんぱく質の量を制限しなければなりません。

心臓疾患のケアに用いる療法食
心臓疾患の療法食では、ナトリウムの量に制限がかかります。
ただし、心臓疾患の進行レベルや飲んでいる薬の種類によって、それぞれのワンちゃんに適したナトリウムの量は異なりますから、飼い主さんが自己判断せず、必ず獣医師に相談した上で療法食をあげてください。

アレルギーのケアに用いる療法食
食物アレルギーの療法食には、体がアレルゲンと認識できないほどに加水分解したたんぱく質や、これまでに食べたことのないたんぱく質を用います。
また、療法食を与える際には、獣医師が許可するまでは他の食べ物を一切与えないというのがポイントとなります。

尿路結石のケアに用いる療法食
ストルバイト結石症やシュウ酸カルシウム結石症などのために作られた療法食では、マグネシウムやカルシウム、ナトリウムなどといったミネラルの含有量が調整されています。
また、療法食を与えている期間中は、他の食べ物を一切与えないようにしなければなりません。

療法食を食べてくれない!どうすればいいの?

療法食を愛犬にあげなければいけないけど、あげても食べてくれないというケースはよくあることです。
そういった場合にはどのように対処すれば良いのでしょうか。

人間もそうですが、いきなりガラリと今までと食べていたものが変われば、拒否反応を起こしてしまいますよね。
いくら犬の味覚は人間よりも優れていないとはいえ、嗅覚は優れているので、食べる前に拒否反応を示す犬も多いでしょう。
そうならないためにも、通常のドッグフードの切り替えと同様、徐々に療法食の量を増やしていくようにしてください。
特に、老犬の腎臓病や心臓病とあれば、獣医さんの指導に従って、ゆっくり時間をかけて切り替えていくことが大切です。

それでもだめだという場合には、獣医さんの許可を得てからこんな方法をとってみましょう。

温める
電子レンジなどを使って温めることで、風味が増し、食欲増進につながることがあります。
ただし、電子レンジは、色々な栄養素を破壊してしまうものでもあるので、あまりおすすめしません。

ふやかす
お湯でドッグフードをふやかすと、食べやすくなります。

においだけ変化させる
ティーバッグのようなものにかつお節などのフレーバーを入れ、それをドッグフードの袋の中に入れておくと、フードの成分を変えず、ドッグフードの香りだけを変化させることができるので、愛犬にとって気になる味になるかもしれません。

一気に与えない
決められた量を1度にやるのではなく、日に数回に分けて与えるというのも問題ありません。

ロイヤルカナンジャポンの療法食を見てみよう!

犬の療法食を中心で有名なペットフードメーカーがいくつかありますが、その中でも人気の高いロイヤルカナンジャポンについてまずは見ていきましょう。

ロイヤルカナンとは、フランスのペットフードメーカーで、日本でも売り上げTOP10に入るほど需要のあるメーカーとなっています。
そんなメーカーが出す犬の療法食には以下のようなものがあります。

腎臓サポート+低分子プロテインドライ
こちらは、慢性腎臓病で食物アレルギーによる皮膚疾患や消化器疾患の犬のために造られたものです。
オメガ3系不飽和脂肪酸(EPAとDHA)やいくつかの抗酸化物質を含み、腎臓病にかかった際に制限しなければいけないリンの含有量を0.16%まで抑えています。
また、消化に優れていて、食物アレルギーの原因となりにくい低分子ペプチド源に加水分解大豆たんぱくを使用しています。

消化器サポート(高栄養)ドライ
こちらは、消化器疾患の犬をターゲットとしたドッグフードです。
まずは胃腸の調子を整えるために、オリゴ糖類をたっぷりと配合し、不溶性食物繊維をも含んで、消化率を高める働きがあります。
消化器官に負担をかけないために、少ない量でも十分なカロリーが摂取できるように配慮されています。

心臓サポート2 ドライ
心臓疾患の犬の中でも、比較的進行レベルが進んでいる犬を対象としている療法食です。
抗活性酸素物質である緑茶ポリフェノールを配合しています。
また、心臓疾患になると、腎臓病を併発することも多々あるので、そうならないよう、リンの含有量にも制限をかけているという特徴があります。

世界最大手のマースによる犬用療法食は?

続いては、世界最大手のペットフードメーカーであるマースグループによる犬用療法食にはどんなものがあるのか見ていきましょう。

まず、マースグループとは、世界55ヶ国(2019年11月現在)でペットフードを販売している世界最大手のペットフードメーカーで、日本での売り上げもペットフード業界の中でトップに君臨しています。
そんなマースグループから出ている犬の療法食はこちらです。

Supremo体重管理用
病気にかかった犬を対象としているわけではなく、病気にならないよう(特に肥満にならないよう)に開発されたドッグフードが、Supremoの体重管理用のものです。
ワンちゃんのサイズに応じたシリーズがあるのでチェックしてくださいね。
厳選された自然素材のみを使用しています。

日本ヒルズコルゲートから出ている犬用療法食を見てみよう!

ロイヤルカナンと並んで、療法食をといえば…という感じのペットフードメーカーが日本ヒルズコルゲートです。

日本ヒルズコルゲートの犬用療法食を動物病院で勧められたことがあるという方も多いのではないでしょうか。
ヒルズの犬用療法食は、病院での販売ルートが中心となっているドッグフードなのです。
それでは、どんなものがあるのか見ていきましょう。

ヒルズのプリスクリプション・ダイエット(特別療法食)<犬用> k/dケイディー チキン入り ドライ
ヒルズの栄養学者と獣医による共同開発がなされたドッグフードは、リンやナトリウムなど、腎臓病の際に制限をかけなければならない成分をしっかりと調整しています。
また、高レベルのオメガ3脂肪酸を配合しているので、毛並みや毛ツヤを整える効果も得られます。

ヒルズのプリスクリプション・ダイエット(特別療法食)<犬用> i/dアイディー ローファット ドライ
こちらも、ヒルズの栄養学者と獣医の共同開発によって作られたもので、まずは低脂肪であり、消化性に優れた素材を用いているため、胃腸に負担がかかりにくくなっています。
オメガ3脂肪酸を配合し、毛並みや毛ツヤを改善、また、ミネラルの量も調整して尿路結石リスクを回避します。

療法食のドッグフードは獣医師の指導に従って与えよう!

療法食を犬に与える際には、決して飼い主さんが自己判断で与えない、獣医師の指示に従って愛犬に適した療法食を与えるようにしてください。
手作り療法食だとあなたにとっても負担になるので、上記のようなドッグフードを利用すると便利ですし、負担を抑えられますので参考にしてくださいね。