低脂肪のドッグフードが向いている犬、向かない犬。膵炎の食事は?

「低脂肪」と聞くとダイエット中の人は耳が大きくなりそうですが、人間の場合、脂肪の取り過ぎは肥満や生活習慣病などよくないイメージが植え付けられていますが、犬にとって低脂肪のドッグフードとはどういうものなのでしょうか。
今回は低脂肪のドッグフードについてまとめてみました。膵炎になってしまったときの食事についてのことや、おすすめのドッグフードも紹介しています。参考にしてください。

低脂肪のドッグフードが向いている犬は?

低脂肪のものはカロリーも低くなっています。低脂肪のドッグフードが向いている犬は次のような犬になります。

肥満、食欲旺盛の犬
人間同様肥満の子はもちろんのこと、食欲旺盛の子もたくさん食べると脂肪を摂り過ぎてしまうので、低脂肪のドッグフードで調整しましょう。

大型犬
大型犬はほかの中型犬、小型犬に比べカロリーの消費が少ないといわれます。大型犬にはカロリーの低い低脂肪を与えてあげましょう。

高齢犬
基礎代謝が落ち運動量の減った高齢犬には、低脂肪のドッグフードが向いています。

避妊・去勢手術を受けた犬
避妊手術や去勢手術を受けた犬は、生殖器官で必要とされていたエネルギーを必要としなくなるために必要な摂取カロリーが少なくなるので、それまでの食事よりカロリーを抑えたものが必要になります。

避妊・去勢手術のドッグフード

避妊・去勢手術をしたあとは、ドッグフードを切り替えた方がいいの?おすすめドッグフードは?

2017.11.10

低脂肪のドッグフードが向かない犬は?

逆に低脂肪のドッグフードが向かないのはどんな犬でしょうか。

子犬(パピー)
低脂肪のドッグフードは、前述したようにカロリーが低くなっています。これから体がつくられる子犬は、脂肪もカロリーも多く必要とするので低脂肪、低カロリーのものは不向きになります。

運動量の多い犬
一般的に運動量の多い中型犬や、散歩量が多い小型犬には低脂肪のドッグフードは向きません。低脂肪でエネルギー不足になると、体重の減少や運動量が減る傾向にあります。運動量が減ると筋肉の衰えやストレスの増加といった悪循環になってしまいます。

低脂肪のドッグフードは栄養価が低い?

低脂肪のものはドッグフードによって脂肪分の多い肉類を減らして、その分穀物を多くしている場合があります。成分表では高タンパクだと思われがちですがそれは「植物性タンパク質」です。犬が必要としているものは「動物性タンパク質」なので、いくら低脂肪でも肉類が減ってはいいドッグフードとはいえません。「低脂肪は栄養価が低い」といわれるのはそういったことが原因なのです。

なぜ穀物が悪い?
穀物が悪いといわれる理由には、次のようなことがあげられます。

  • 栄養価が低い
  • 犬は穀物の消化が苦手
  • アレルギーを起こしやすい

粗悪なドッグフードといわれるものは、コストを下げるために穀物を主原料にしたものも少なくありません。ドッグフードはグレインフリー(穀物不使用)が理想的です。

低脂肪で栄養価が高い(高タンパク)おすすめドッグフード

低脂肪のドッグフードは穀物で脂肪分を下げるのではなく、低脂肪でも高タンパクで栄養価が高い肉を使ったものをおすすめします。

アナンズナチュラルドッグフード ラム
ナチュラルドッグフード
ヒューマングレードの生のラム肉を55%以上も使用しています。ラム肉は肉類の中でも消化吸収がよく低脂肪・高タンパクで、そのうえ低アレルゲンなのでラム肉を使用したドッグフードも増えてきました。またラム肉にはL-カルチニンという、脂肪の燃焼を助けてくれるアミノ酸の一種が豊富に含まれていてダイエット効果も期待されます。

低脂肪でもおすすめできないドッグフード

低脂肪でも前述したように穀物が多く使われていて、おすすめできないドッグフードがあります。

ロイヤルカナン消化器サポート(低脂肪)
ロイヤルカナン消化器サポート
ロイヤルカナン消化器サポート(低脂肪)は、消化不良により下痢をしている犬や高脂血症の犬などのために作られた食事療法食です。脂肪分は低いですが主原料が米になっていて、小麦、大麦など多くの穀物が含まれています。また保存料にはソルビン酸カリウム、酸化防止剤にはBHAと犬に危険な添加物もはいっているので、犬に絶対に与えてほしくないドッグフードです。

低脂肪ドッグフードと膵炎

膵炎は低脂肪の食事と大きな関わりを持っています。まず膵炎発症のメカニズムから見ていきましょう。

膵炎(すいえん)とは?
膵炎は文字通り膵臓(すいぞう)が炎症を起こす病気です。膵臓で作られた膵液が何らかの原因で逆流し、膵液の中の消化酵素によって膵臓自体が消化され炎症を起こすことで発症します。

膵炎の原因
主な膵炎の原因は食事で、脂肪分の高いものを取り過ぎることで起こるといわれています。また、抗がん剤などの薬剤や、避妊・去勢手術の経験があることも原因のひとつといわれています。

また遺伝的に膵炎になりやすい犬種もいます。ミニチュアシュナウザー、トイプードル、コッカースパニエル、ヨークシャテリアなどが、発症率がやや高いといわれています。

膵炎の食事
膵臓に負担をかけないように低脂肪の食事が基本です。また膵炎はインスリンの分泌ができなくなり、糖尿病を発症することもあるので炭水化物(糖分)の摂取量にも注意が必要です。一般的なドッグフードや粗悪といわれるドッグフードには、炭水化物を多く含む穀物がふんだんに使われているものがあります。膵炎の食事には低脂肪でグレインフリー(穀物不使用)が理想的です。

膵炎におすすめのドッグフード

モグワン ドッグフード
モグワンドッグフード
おすすめポイント

  • 低脂肪(12%)であること
  • グレインフリーであること

ヒューマングレード(人間も食べられる高品質)のチキンとサーモンをたっぷり使用したグレインフリーのドッグフードです。新鮮なサーモンを使用することで低脂肪なのはもちろんのこと、オメガ6脂肪酸・オメガ3脂肪酸が豊富に摂取でき、皮膚や被毛の健康も維持してくれます。

低脂肪のドッグフードまとめ

犬にとって脂肪はエネルギー源であり、体温の保持やホルモンの生成など体の機能には欠かせない大切な役割を持っています。しかし、取り過ぎると内臓に負担をかけ内臓疾患や肥満の原因になったり、また少なすぎると皮膚が乾燥し被毛のツヤが悪くなったりと、摂取する量が重要になります。

ドッグフードだけでなくおやつにも注意が必要です。愛犬に食べ物を与えるときは、原材料はもちろんですが成分も気にかけて見てあげることが大切です。